看護師の退職金は、いくらぐらいもらえるのが相場なのか知っていますか?
就職する際、毎月貰える給料や待遇面は気にしても、退職金がいくらぐらい貰えるのかまで気にする看護師は、案外少ないんです。
「確かにそうかも…でも退職したってすぐ働けばイイじゃん!」
看護師は慢性的な人手不足。
転職先はいくらでもあるから大丈夫!と安心してしまうお気持ちもわかります。
でも、もし病気が原因で働けなくなったら?
家庭の事情で働けなくなったら?
あなたの身にだけは起きないという確証はありません。
だから、退職金は大切!
退職後に後悔しないためにも、看護師の退職金事情について知っておきましょう。
今回は、退職金を貰うための注意点や計算方法、平均相場の高い職場別ランキングTOP5をご紹介します!
目次
看護師が退職金を貰う際の注意点とは?
看護師の退職金を貰うためには、いくつか注意点があります。
退職金制度がない職場もある!
「私の場合、退職金っていくらぐらい貰えるのかな~?」と心躍らせても、そもそも退職金制度がない職場であれば意味がありません。
「え?看護師で退職金貰えない職場なんてあるの?」
実は、医療業界で退職金制度がある職場の割合は、約50%!
必ずしも退職金が貰えるわけではないんです。
小規模のクリニックや個人病院、基本給が高すぎる病院では、退職金が支給されないケースも多い!
だから、まずはそもそも退職金制度があるのかを確認する必要があります。
今現在働いている職場の退職金制度を確認する場合は、就業規則を確認してみましょう。
- 退職金
- 退職慰労金
- 退職手当
- 退職一時金
退職金制度があれば、このように表記されているはずです。
これから転職する場合は、求人票に退職金制度の有無が記載されているかチェックしてみて下さいね!
入職後の行動次第で退職金が支給されない場合がある!
退職金制度がある職場であっても、あなたの行動次第で退職金が貰えないケースもあります。
それは、懲戒解雇になった場合!
- 守秘義務違反
- 長期間の無断欠勤
- 横領
- 麻薬や覚せい剤の所持、使用
- 窃盗
懲戒解雇になった場合、職場の就業規則で『退職金を支給しない』という規定があるケースも少なくありません。
入職後の行動にも注意が必要ということですね!
勤続年数3年未満の看護師は退職金を貰えない可能性がある!
公務員の場合は別として、退職金制度を設けている職場のうち、約50%が勤続年数3年以上での退職金支給を提唱しています。
退職金は、必ずしも支給義務があるわけではありませんから、勤続年数何年目から退職金を支給するかは職場次第!
退職する際は、就業規則と自分の勤続年数をチェックする必要がありそうですね。
看護師の退職金はいくらぐらい貰えるのが平均相場?4つの計算方法とは?
看護師の退職金は、いくらぐらい貰えるのが平均相場なのでしょうか?
そして、気になる計算方法は?
勤続年数別の退職金平均相場と計算方法をご紹介します!
勤続年数別の退職金平均相場
勤続年数3年 | 30~50万円 |
勤続年数5年 | 50~100万円 |
勤続年数10年 | 250~300万円 |
勤続年数20年 | 450~600万円 |
勤続年数10年以上になると、退職金の平均相場は一気にアップするようです。
勤続年数10年となると、年齢的には30代という看護師が多いのではないでしょうか。
結婚や出産を機に退職という看護師も多いでしょうし、更なるステップアップのために転職という看護師もいるかもしれませんね。
まとまった金額の退職金が入るとなれば、ちょっと安心ですね!
退職金の計算方法
看護師の退職金を計算する方法は、4つ。
①基本給×勤続年数
②固定額×勤続年数
③基本給×勤続年数×功績倍率(職場への貢献度や功績)
④勤続年数による規定
それぞれの計算方法を、以下のモデルケースに当てはめてご紹介しましょう。
勤続年数 | 10年 |
基本給 | 25万円 |
固定額 | 10万円 |
功績倍率 | 1.2 |
①基本給×勤続年数
退職時の基本給と勤続年数を掛け合わせて退職金を算出する方法です。
基本給25万円×勤続年数10年=退職金250万円
②固定額×勤続年数
職場で定められた固定額と勤続年数を掛け合わせて退職金を算出する方法です。
固定額10万円×勤続年数10万円=退職金100万円
③基本給×勤続年数×功績倍率(職場への貢献度や功績)
退職時の基本給と勤続年数・功績倍率を掛け合わせて退職金を算出する方法です。
功績倍数は、職場に対する貢献度や功績によって変動します。
基本給25万円×勤続年数10年×功績倍率1.2=退職金300万円
④勤続年数による規定
職場規定により、勤続年数に応じて退職金が決まる方法です。
例えば…
- 勤続年数10年=200万円
- 勤続年数15年=300万円
看護師の退職金の平均相場が高い職場別ランキングTOP4!
看護師の退職金は、職場によっても平均相場が変わります。
自分が現在働いている職場やこれから転職予定の職場で、退職金がいくらぐらい貰えるかは気になるところですよね!
そんなあなたのために、看護師の退職金の平均相場が高い職場別ランキングTOP4をご紹介しましょう!
第1位:国立病院
国立病院で働く看護師の退職金は、職場別ランキング堂々の1位!
平均相場は、かなり高い水準です。
以前は、準公務員扱いで『公務員退職手当法』という規定に基づいて支給されていました。
現在は、2015年4月に国立病院機構の独立行政法人化が実施されたため、一部の医療機関を除いて、公務員扱いではなくなりました。
ただ、それでも退職金の平均相場は高い水準をキープしたまま!
2014年実績では、非管理職看護師の定年時の退職金は、約1800万円でした。
また、管理職になると、約2400万円。
ハイレベルの平均相場と言えそうですね!
第2位:公立病院
公立病院で働く看護師は、地方公務員扱いです。
退職金は、『地方公務員法』に基づいて支給されます。
支給される退職金の額は、所属する自治体によって異なりますが、こちらも平均相場はかなり高い水準!
都道府県立の看護師であれば、定年時の退職金は、約1400万円。
これが、政令都市の看護師となると、約1900万円。
国立病院で働く看護師と同等の退職金が支給されるということです。
公立病院で働くなら、政令指定都市にある病院が狙い目ですよ!
第3位:大手総合病院や企業病院
大手総合病院や企業病院の退職金の相場は、運営状況などによっても異なります。
病院によっては、定年時の退職時が2000万円を超える!なんて場合もあるんです。
ただ、経営状況が悪い場合は、1000万円を下回る退職金しか貰えないというケースもありますから注意が必要。
大手総合病院や企業病院の退職金の計算方法は、基本給をベースにしている場合が多いため、できるだけ基本給の高い病院を狙うのがポイントですよ!
第4位:富裕層向けの有料老人ホーム
介護施設で働く看護師の退職金は、ピンキリ!
経営状況によっては、支給されない施設も多いですが、今は高齢化がどんどん進んでいるため、介護施設の需要は高まっています。
つまり、経営の安定している施設が多いということ。
また、慢性的な看護師不足により、ちょっと高い退職金を提唱してでも、看護師が欲しい!という施設は増えています。
介護施設の中でも、高い退職金の平均相場を保っているのが、富裕層向けの有料老人ホームです。
初期費用も高いため、単純に資金面で施設は潤っています。
だから、看護師に支払う退職金も比較的高額です。
定年まで勤務すると、1000万円を超える退職金が支給されるというケースもあるようですよ!
ここまで、看護師の退職金の平均相場が高い職場別ランキングTOP4をご紹介してきましたが…
「それじゃあ、看護師の退職金の平均相場が低い職場別ランキング第1位ってどこなんだろう…」
確かに気になりますよね。
退職金で絶対損をしたくない!という人であれば、第1位の職場は避けたいと考えて当然です。
それは、次項でご紹介しましょう!
看護師の退職金の平均相場が低い職場別ランキング第1位は?
第1位:小規模病院やクリニック・訪問看護ステーション
小規模病院やクリニック、訪問看護ステーションで働く看護師の場合、そもそも退職金制度がないケースも少なくありません。
退職金の支給を義務付ける法律はないため、珍しいことではないんです…。
たとえ退職金制度があったとしても、退職金の平均相場は低い傾向にあります。
小規模病院やクリニック、訪問看護ステーションに看護師人生の全てを捧げるという人は少ないですよね。
長期で勤務する看護師が少ないということは、平均相場も上がらないということ!
10年未満の勤続年数で、退職金は20~100万円支給されるのが相場でしょう。
看護師が退職金で損をしないためには転職コンサルタントを活用しよう!
看護師の退職金の平均相場は、職場によってもかなり違うということがわかりましたね!
今の職場で自分がいくらぐらい退職金を貰うことができるのかイメージできましたか?
「そもそもうちの職場に退職金制度がなかった…」
「このまま定年まで勤めても、たいした額は貰えなそう…」
退職金で損をしそうな予感がしているあなた!
今がチャンスかもしれません。
いち早く退職金制度の確立されている職場に転職できれば、それだけ転職先での勤続年数は長くなりますから、今より高い退職金を貰える可能性は高くなります。
転職する際は…
- 退職金制度がある職場を選ぶ
- できるだけ長く勤められそうな職場を選ぶ
- できるだけ基本給の高い職場を選ぶ
ただ、求人票に『退職金制度有り』と記載されていても、詳細まではわかりません。
例えば、どの計算方法を導入しているか?
どんなに基本給が高くても、どんなに長く勤めても、職場規定による計算方法で支給される場合、支給額が少なければ、あなたは退職金で損をする可能性もあるわけです。
また、先ほどご紹介した職場別の退職金の平均相場は、あくまで目安。
転職先が、必ずしも平均相場並みの退職金を支給しているとは限りません。
だからといって、転職時に「あなたの病院の退職金は、いくらぐらいですか?」なんて聞ける看護師はいませんよね。
そんな時頼りになるのが、看護師転職コンサルタントです。
職場の内情にも詳しく、退職金に関するデータも豊富。
あなたが退職金で損をしないための転職先も紹介してくれますからおすすめですよ!